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この二人のすべてを語らないために

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鋼の錬金術師:エドアイ

多少15禁くらい…
続きを読むからどうぞ♪
-------------------------
 夜明け前、少しの睡眠で目が覚めてしまったエドワードは隣でまだ寝息をたてている
彼女を愛しげに見つめていた。
 顔にかかる髪をよけてあげると、リザはうっすらと眼を開けていて
「あ、ごめ…起こした?」
 まだはっきりと起きていないらしく首をふったかふらないかの返事を返す。
「もう少し、寝てていいよ。起こしてあげるし」
 ぼぅっとするリザは小さく唸ると、目をこすって意識を覚ます。

「…起きる…わ」
 でも出勤にはまだ時間がある。
ベッドに寝転がったまま夜が明けるのを待つ。頬に触れる空気は少し冷たい。

「……」
 エドワードは、触れたいのを我慢していたのか、リザの髪を梳いては撫でてを繰り返し
シーツに広がる金の波と戯れていた。
「だいぶ、のびたね」
 髪で遊んでいるエドワードに、ふっと笑うと再び目を閉じた。
「髪…気づいて、声をかけてくれたの…エドワード君だったわね…。覚えてる?」
 静かな部屋に染み入るように。小さな声はエドワードを驚かせた。

◇◇◇

「髪伸ばしたんですね」
 司令室の沈黙を破ったエドワードの言葉に、瞬きをしてしまったリザは
ゆるく微笑むと首筋にかかる髪の毛を手で梳いた。
「少し…ね。でもよく分かったわね?」
 まだ長いとは言えない髪。なぜ伸ばしているのかを知る人はいない。
 初めて会った時は、ショートカットだった。
 凛々しさをさらに際立たせていた髪はエドワードの金髪より少し淡く
艶やかで目を引くものを持っている。
 もう少し長くなればまとめられるんだけど、と後ろでまとめるふりをして見せる。それに視線が釘付けになっている少年へと声をかけた。
「…似合わないかしら…?」
 恥ずかしそうに聞くと、エドワードは、はっとして必死に首を左右に振った。
「いっ、いいえ!すっげ良い…です。」
 そんな言葉に笑顔を返したリザは、さて、とロイのデスクにまとめた資料を積み上げた。
「大佐…どこまで休憩取りに行ったのかしら?二十分だけって言ったのに」
 山積みになった資料に手をつきながら扉を睨みつける。つられてエドワードも。
開かない扉にため息をつくと、ソファで報告書の訂正をしているエドワードと肩をすくめあった。
「…。そっちはどう?」
 大佐の書類を横目に、ソファの隣に立つと訂正し終わったエドワードの書類を手に取った。
「…………」
「あら、エドワード君、ここ誤字よ」
 慌てて顔を上げると目の前にはリザの顔があり、ほんの少し時が止まった…ような気がした。
「ほら、ここ」
「あっえ‥ああ……」
 素早く手直しをするエドワード。ちらりリザを見ると、にこやかにそれを確かめていた。
「大佐も…ちゃんとしてくれれば良いのに」
 苦笑しながらつぶやく言葉にエドワードは、少し面白くなくて考えるよりも先に口が動いた。
「ホークアイ中尉は、大佐の事が好きなんですか?」
 言ってしまってから、ぱっと顔を上げると、きょとんとしたリザと眼が合った。
「あ…ごめんなさいっ中尉、オレ…」
「好きよ。大佐は、ああ見えても部下思いで…優しく厳しい。だから、皆からも好かれていると思うわ」
 大佐のデスクを見つめる視線は信頼と尊敬を含んでいた。
「そ…そっか……」
 変な事を聞いた自分が恥ずかしくて、それを隠すように報告書に目を移した。
「エドワード君は、好きな人いるの?」
「……………」
 報告書の上を視線が泳ぐ。
「リゼンブールの、あの子?」
「誰が!あんな機械オタクの!暴力女!」
 噛み付くように言い捨てると、先にした自分の質問の意味、好きの意味を分かっていたのだと思い真っ赤になる。
 さらりと報告書のチェックを続けるリザに、やけになるエドワードは
「中尉はそういう…好きな人って、いるの?」
 ホークアイ中尉は、大人の女性で、軍部内でも目を引く人物である。その彼女になんてことを聞いているんだろうと思ったが、エドワードは真剣な面持ちで答えを待った。
「…そうねぇ…。エドワード君がなってくれるかしら?」
 一瞬なにを言われたのか分からなくて半口を開いていると、リザが書類で口元を隠しながら笑っていた。
「……………」
「冗談よ。そんなにイヤかしら?」
 嫌なわけない。けれど、笑顔で冗談を言うリザの一面を見れて嬉しい反面、冗談止まりの自分の位置を思い知らされた。結局答えは後になって分かったが、一杯一杯のエドワードには不満足だった。
「ねぇ、中‥」
 声をかけようとしたが、この話題はこれでお終いと、大人の余裕を纏ったリザがエドワードの報告書をロイのデスクへと積み上げた。
「……」
 リザの背中を見つめながら、敵わないと思いつつも揺れた金髪に目を奪われる。
「…髪留め‥プレゼントしたらつけてくれる?」
 背中に投げかけた言葉は他愛無いものだったがエドワードの視線は痛いくらいで。
 次の日からこの密かな恋は大きく動き出した。

◇◇◇

 カチャと枕元に外された朱色のバレッタを指でつつきながら蕩けそうな顔をしているエドワードは、そんな事あったっけ?と、リザが覚えていた事に喜んでいた。
「でも…俺の気持ち気付かないなんて…鈍すぎ~」
「あら、大人をからかってるのかと思ったのよ」
 再びリザの髪に触れ、器用に三つ編みに結っていく。
「まぁ、あん時、俺まだガキだったし」
「今は、大人なの?」
 なんて意地悪を言われても、エドワードは頬を膨らませ不機嫌なふりが出来る。子ども扱いしないで、と何度言われたことか。今ではリザが戸惑うほどの余裕を見せるから、とても悔しい。
「ねぇ、初めてキスした時のことは覚えてる?」
 耳元で囁けば、たちまち赤くなるリザに、変わらなく愛しい思いになる。
そのまま上に覆いかぶさるように身体を起こせば、身長差は関係なくエドワードの腕がリザを包む。

◇◇◇

 旅の途中、大佐たちと会うことがたまにあった。オグターレ、バローナ、エルランド…騒ぎを起こすのはたいていエドワードの方で。鋼の、と声のしたほうを向けば嫌味な顔に会う。
その後ろから、護衛兼おもりの中尉と少佐、たまに少尉。
 司令室で同行を命じられたのは、山村近くの森で暴れているというキメラの捕獲調査。大佐自ら赴くというので何かあるなと思ったが、ただデスクで単純な仕事をしたくないだけ、と言うのを後から知った。
ともかくエドワードも何か為になることがあるかもしれない、と引き受けたわけだが、メンバーにホークアイ中尉がいることも少しだけ要因になったかもしれない。
「国家錬金術師が二人もいるんだ、すぐに済むだろう」
 と、ロイとエドワードとリザ、今回は捕獲のための力仕事としてハボックも一緒に調査に向かった。

「いや~キメラ退治にはいい天気だぜ!」
「エドワード君、退治ではなくて捕獲調査よ」
「にしても、こんな天気じゃ…焔出せないっすね…」
三人の視線の先、片眉を鬱陶しそうに上げているロイ。
村にさしかかったときからパラパラと降り出した雨は、キメラが出没するという森に着いたときには激しさを増し、一名を無能にさせた。
「………さっさと片付けて帰らねば。私には仕事が待っている」
 言えば、部下たちが白い目で睨みをきかせていた。

 雨の止まないまま三十分ほどした時、森の奥からグルルっと鳴き声のような呻き声がした。
「…来るぞ!」
 ロイの掛け声に合わせて姿を現したのは、こげ茶色をした大きな身体に半月形の耳が付いた
「……クマ?」
「のように見えますね」
 銃を構えたリザと両手を合わせたエドワードが、ロイとハボックの前に立ち標的を確認する。
「……」
 目の前に現れたのは、普通より少し大きめなクマで、左前足に小さな矢が刺さっていた。
「キメラ…ではない‥が」
 呆気に取られているとクマが四人めがけて走ってきた。
「取りあえず二手に分かれろ!」
 ロイの命令に、エドワードとリザが右の林に逃げ込んだ。後ろのロイとハボックが左へ。
「…ったく。大佐の情報なんてあてになんね――!」
大きめの木の後ろに隠れながら、毒づくエドワード。暴れまくっているクマは左へと。
「中尉…麻酔銃っぽいの持ってる?」
 クマを眠らせようと考えていた。
「ええ。捕獲調査だから、持ってるわ…でも、ちょっと暴れすぎかしら、弾数持ってないのよ…」
「…矢が、痛いんだろ。…俺が何とかするから、中尉は撃って」
 言ってからロイたちのほうで暴れているクマに向かって走った。リザは言われたとおり銃を構えて機会を待つ。凄い勢いで迫ってくるエドワードにクマも気付き、振り返った。その時、青白い光と共に木の上から、格子状の檻が錬成されクマを囲んだ。
「中尉!今だ!」
 銃声と木製の檻が粉々になったのは同時で、クマは檻を砕いても暴れる事はなかった。

「やった…!」
 クマに麻酔が効き始めて倒れるのを見届けると、振り返りリザに微笑みかけた。
雨はいつの間にか小降りになっていて、刺さった矢を取り除くと山奥にクマを帰す。

「大佐、報告書はどうしますか?」
「…明日、司令部に戻ったら鋼のに書いてもらおう」
「へーへー、無能な大佐じゃ書けないもんな」
 村に戻りホテルのロビーで、コントの様なやり取りをしているとハボックが部屋をとって戻ってきた。
「大佐、二部屋しか空いてないそうっす…」
 と二つの鍵をちらつかせる。ロイは考えるポーズを取りながらハボックとエドワードを近くに呼び、ひそひそ話しをするように話した。
「…女性と一緒の部屋と言うのは醜聞が立つといけない。中尉と鋼ので一部屋、私とハボックで一部屋。と言うのでいいな」
 ロイの提案にドキリとするが、どうも面白くない。
「俺だって男だぞ!」
「女性と子どもは一緒でいい」
 子どもと言われ、反抗しようと拳を握ると三人の後ろで腕を組みながら呆れていたリザが、ハボックから鍵を一つ奪って。
「エドワード君、いきましょう」
 すたすたと階段に向かって歩く。呼ばれて後を追うエドワードは、さっきから速くなる鼓動を感じながらも、子どもだから自分を選んだのだろうかと少し残念に思っていた。
「…ここね」
 着いた部屋はシングルのベッドが二つ並んでいて、間に照明で隔ててあるだけの簡素なものだった。
 手前のベッドにリザが座り、奥のにはエドワードが。
「手伝うわよ、報告書」
 一瞬なんのことだろうと思ったが、本日の活躍はリザがいてこそだ。
「…有り難う、中尉。…あ、やっべ!泊まりになるなんて思ってなかったから、アルに連絡してない!ちょっと、してくる!」
 落ち着きなく部屋から飛び出したエドワードは、連絡を入れるのはもちろんだが、緊張して居られなくなっていた。
(…中尉は、俺のこと子どもってしか考えてないよな―。
俺一人で緊張して…恥ずかしい…でも、これってチャンスなんじゃねーの?
………って何のだよ!
………戻ろう。少しでも一緒ならいいか)
 
 部屋の前で深呼吸をして入れば、中はしっとりとした温かい空気に包まれていた。
「アルフォンス君に連絡ついたの?」
 ベッドに腰掛けていたリザは髪から雫を滴らせて、それをタオルで拭っていた。
「あ、あぁ…まあ」
 深呼吸を台無しにしたリザは、エドワードのことは気にしていないようだが
「エド君も、お風呂入るといいわよ。雨に濡れたんだし」
 微笑まれて、さらに心臓が早打つ。きっと赤いであろう顔を見られないよう俯きながらバスルームに向かう。
「……」
 エドワードの落ち着かない様子に気付かないリザではない。
「…緊張…してるの?…まさかね」
 バスルームに投げかけるよう呟くと、小さく首を振った。
(ヤベ―よ!ヤベ――よ!全っ然、異性意識なしじゃん!俺大丈夫か!でも……)
 十分ほどしてエドワードは、うやむやな気持ちを落ち着かせ、よし!とバスルームから出る。
「あら、エド君、髪解いていると雰囲気変わるわね…」
「…中尉もね…」
 実際リザは、いつも結い上げている髪を下ろしていて。言えば怒られるかもしれないが、可愛い、と思った。
「…なんだか、可愛いわね」
 自分の思考を読まれたかと思い驚いたが、それはリザがエドワードを見て思っていた事である。
「か…可愛い……」
 頷く笑顔のリザを見ると、悪気があって言ってるのではないのは分かる、が複雑な気持ちになってしまう。
「…中尉、から見れば俺なんて生意気なガキ、あ、生意気な可愛いガキなんだろうけど、さ…」
 気付けばベッドに腰掛けているリザの目の前に立っていて
「…エド‥君?」
 リザを見下ろすエドワードは、少し強張った顔をしていて、ぞくっと背筋に何かが走った。
「俺も…男なんだぜ?」
 言われて目を見開いた時には目の前にはエドワードの顔があり、その瞳は静かに閉じられていた。

ちゅ

「…クマ退治の、ごほ―び!」
 唇と唇が離れて無邪気な笑顔を見せるエドワードは、そのままくるっと後ろを向いて自分のベッドに乱暴に潜り込んだ。
「おやすみ!」
何故かほっとしたような残念なような気持ちになるリザは、その背に苦笑すると電気を落とし、自分もベッドに入る。
「おやすみなさい」
 優しく囁かれた言葉は、エドワードを眠りの世界から覚ます結果となった事をリザは知らない。

◇◇◇

 思い出し真っ赤になりながらも、笑いが止まらないでいるリザを見下ろす。エドワードは、その記憶に情けなさと恥ずかしさを感じ、押し倒しているリザの耳元に顔を埋め、シーツに頬を撫でる。
「……ほんっとに眠れなかったんだぜ?余裕なんてゼロだし!」
 初めてのキスはもっとムードとかさぁ、と残念がるエドワードに、目の端の涙を指で拭うリザは、もう一つ記憶をよみがえらせた。
「…多分、あの夜から、エド君のこと気になっていたのかもしれない…」
 がばっと埋めていた顔をあげると嬉しそうな笑顔で言葉を待つ。
「…?違う、かしら?あら?」
「え―――?違うのかよーー」
 再び、がっくりと顔を埋める。
「……もっと…前から…エド君のこと、好きになっていたのかも」
 囁かれた言葉は最もエドワードを喜ばせた。俺はもっと前から、なんて変な負けず嫌いも愛しい。
「じゃあ…これからは?」
 
額をくっ付けあいリザが尋ねれば、目覚めてから何度目かのキスに想いは委ねられた。
 朝日は静かに新しい記憶となるべく光を放ち始める。
甘い時間の終わりを告げるように、この二人のすべてを語らないために。

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